脂質異常症へのフィブラートは開放隅角緑内障のリスクを低下させますか

松江出張所便り

2024/1/6

〇はじめに 緑内障は、視神経乳頭の結合組織要素のリモデリングと、視神経障害を特徴とする疾患群です。視神経障害は神経組織の喪失を伴い、特徴的なパターンを持つ視覚機能障害の発症に関連します。緑内障の有病率と疾病負担は、台湾を含むアジアで最近増加しています[PMID: 26112871]。脂質異常症は緑内障のリスク増加と有意に関連しており、脂質異常症および血中脂質レベルの上昇は眼圧(IOP)の上昇と関連しています[PMID: 30897618]。
フィブラートはペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)-α作動薬であり、脂質異常症の治療に用いられます[PMID: 25029994]。PPARαは網膜で広く研究されており、神経保護、血管新生、概日リズムの調節に関係していることが証明されています[PMID: 34010603]。脳虚血や神経変性疾患の実験モデルでは、PPARαの活性化が神経保護効果を持つことが示されています[PMID: 17073815]。しかし、開放隅角緑内障(OAG)の関連において、フィブラートの神経保護効果を評価したことはありません。
今回紹介する研究は、台湾の国民健康保険研究データベース(NHIRD)から収集したデータを用いています。台湾人集団におけるフィブラートの使用と開放隅角緑内障(OAG)の有病率との間の関連リスクを調査することを目的としました。著者らが知る限り、台湾人集団でこの問題を調査した研究は初めてです。

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